photo by 東京サドベリースクール
(photo by 東京サドベリースクール)

 

(2)「教育内容」の特徴を掴む

その3.子どもの希望が中心のタイプ

 

様々な教育を、

1.体系的なカリキュラムや教員資格があるタイプ
2.現場の教師やスタッフが企画するタイプ
3.子どもの希望が中心のタイプ
という三つのタイプに分けて見たうちの、
「2.現場の教師やスタッフが企画するタイプ」が前回の話でした。

今回は、「3.子どもの希望が中心のタイプ」を解説します。

このタイプは、カリキュラム自体がなく、毎日の時間の使い方が子ども自身に委ねられています。
学校でいえば、サドベリースクールあるいはデモクラティックスクール)。
幼児教育でいえば、森のようちえんが、最も子どもの自由度が高いスタイルです。
サドベリーと森のようちえんは、趣旨はけっこう異なりますが、
「子どもの希望が中心」という点では共通しているので、今回はその共通点に絞って解説します。

このタイプでは、子どもたちが過ごす場は用意されますが、
そこでの過ごし方は、ほとんど子どもたちの自由です。
「区切りのない時間」を、子どもたちが好きなように使い、自分のペースでやりたいことをします。
抑圧や制限がほとんどない環境で、本当にやりたいことに没頭することは、
それがどんなことであっても、大切な学びになるという考え方です。
あるいは、やりたいことを自分で探すことや、ときに失敗したり、何もしないでいることも、成長の糧になると考えられます。
大人が教えることが少ない分、子どもたち同士の教え合い・学び合い・助け合いの重要度も、
他のタイプに比べて高いといえます。

大人の役割で重要なことは、子どもたち一人一人がそんな自由な過ごし方ができる「場」を用意することです。
サドベリー・デモクラティックスクールでは「ミーティング」を大切にしていて、
子どもたち一人一人が互いに尊重され、自由に過ごすために問題があればとことん話し合いをします。
森のようちえんであれば、自然の中で、子どもたちが自由に過ごしやすい場を確保します。

しかし、その「場」の中で大人がすることは、見守ること、共に過ごすこと、必要とされれば手助けすることで、
用意したり、教えたり、やらせたりすることは、他のタイプに比べてとても少ないです。
あくまで子どもが主役であり、子どもが主体的に場をつくっていけるようにすること自体が教育です。
ただし、そのために大人が我慢するのではなく、大人自身も、ありのままの自然体で子どもと関わることが大切とされます。

このタイプの場合は、授業をしないので、大人に必要な資格やスキルは特にありません。
それよりも、子どもが自分で成長していく力を信頼すること、子どもを一人の人間として接することを、
心から素敵だなと思い、楽しみながらできるかが問われてます。
口や手を出さずに見守ることこそ難しい、という声はよく聞きます。
(森のようちえんの場合は、相手が幼児であり自然環境なので、保育やアウトドアの知識が必要とされる場合もあります)

学校を選ぶときは、ありのままの日常を自由に見学したり、数日単位の体験入学(園)ができる場合が多いです。
その日がどんな日になるのか、子どもたちが決めるため、一日だけ見ても分からないかもしれません。
数日単位で見学や体験をすることがおすすめです。
また、子ども中心とはいえ、大人のあり方はとても重要なので、そこに関わる大人ともしっかり話をして、
自分と合うかどうかを心に問いかけてみるのが大切だと思います。
今回で「教育内容」を終り、「運営」について解説したいと思います♪

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征矢 里沙

征矢 里沙

1983年、愛知県生まれ。高校2年生のとき、恩師との出会いがきっかけで、「日本の教育を変えたい」という志を抱く。慶應義塾大学総合政策学部に入学し、シュタイナー・サドベリー等のオルタナティブ教育を研究。2006年に大学卒業後、株式会社リクルートに就職。2012年、会社を卒業して「NPO法人いきはぐ」を起業、代表を務める。2013年5月に出産、1児の母。