(3)「運営」の特徴を掴む

その1.運営者・教師・保護者の関係

C.保護者が中心となって運営

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(photo by 森のようちえん ねっこぼっこ)

自分にぴったりな学校・園と出会うために、

「教育内容」だけではなく、「運営」の面も知ることが大切です。
そのひとつが、「保護者と教育者の関係」です。
保護者として、学校にどう関わることが求められるのか、が変わってきます。

これには、三つのタイプがあります。
A.教育者が中心となって運営
B.教育者と保護者の共同運営
C.保護者が中心となって運営

前回は、「B.教育者と保護者の共同運営」についてお話ししました。
今回は、「C.保護者が中心となって運営」についてお話したいと思います。

このタイプは、幼児教育であれば、自主保育と呼ばれるものです。
学校でいえば、ホームスクーリングと呼ばれています。

自主保育、ホームスクーリングという形態自体、あまり知られていないかもしれません。
自主保育は、子どもを自分たちの手で保育したい保護者(主にお母さんたち)がグループをつくって、
当番制の預け合いをする保育のスタイルです。
必然的に、少人数になり、保育内容も子どもの自由遊びを見守ることが中心となるので、
いきはぐが既に取材したのは「原宿おひさまの会」ですが、そこから刺激を受けてつくられた会が全国にあります。
森のようちえんも、この自主保育のスタイルで運営されている場合があります。

ホームスクーリングは、子どもを学校に通わせないで、家庭で教育するスタイルです。
欧米では法的にも認められていますが、日本ではまだ馴染みが薄いかもしれません。
不登校の子どものためのホームスクーリングのネットワークはありますが、
『生きる力』をはぐくむ教育のために、最初からホームスクーリングのスタイルで教育する家庭の
ネットワークやサポートは、まだ整備されていません。
ただ、私の知っている方や、取材先で知り合った方で、ホームスクーリングに近い形態で
子どもを教育している方は何人もいます。
ホームスクーリングと、サドベリーのような自由度の高い学校への通学を適宜ミックスしている方もいます。

ちなみに、保護者が中心となって学校・園を立ち上げ、保護者が保育者・教育者を兼務したり、
保護者が、必要に応じて保育者・教育者を雇うケースもあります。

このタイプでは、言うまでもなく、保護者の担う役割がとても大きいです。
園舎・校舎はない場合が多く、大きな公園や、自宅を拠点に、地域の施設やリソースをフルに使って保育・教育をします。
自主保育の場合、家賃や人件費という大きな固定費がほぼかからないので、月謝は安く設定されている場合が多いです。
ホームスクーリングはもちろんタダということになります。
その分、保護者が責任を持ち、コミュニケーションをしっかり取り合って運営していくことが、継続性のカギになります。
このタイプの魅力として、保護者の方が口をそろえて言うのは、
「大人自身も成長できる喜び」や「子どもと共に学び合う喜び」です。
自主保育であれば、教育方針も似ている保護者が集まるので、仲間ができる喜びもあります。
それも、仲良しグループではなく、子どものために本音で話し合い、協力し合う仲間です。
ホームスクーリングも、家族をはじめとする協力者が多いほど、うまくいっている印象があります。
もし、どこかに「通わせる」以外の選択をしたいと思ったら、
ぜひ、一度見学や体験をしたり、実践している人に会ってみて、イメージを膨らませてみて下さい。

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征矢 里沙

征矢 里沙

1983年、愛知県生まれ。高校2年生のとき、恩師との出会いがきっかけで、「日本の教育を変えたい」という志を抱く。慶應義塾大学総合政策学部に入学し、シュタイナー・サドベリー等のオルタナティブ教育を研究。2006年に大学卒業後、株式会社リクルートに就職。2012年、会社を卒業して「NPO法人いきはぐ」を起業、代表を務める。2013年5月に出産、1児の母。