町並み

 

(3)「運営」の特徴を掴む

その2.地域との関係

 

自分にぴったりな学校・園と出会うために、

「教育内容」だけではなく、「運営」の面も知ることが大切です。
前回までは、「保護者と教育者の関係」について、三つのタイプに分けて解説しました。
今回からは、運営の他の側面として、「地域との関係」についてお話したいと思います。

公立の学校や園は、地域ごとに設置されていて、地域と密接に関係しています。
一方、多くの『生きる力』をはぐくむ学校・園は、地域のためというよりも、教育内容のために設立されています。
通う人の側も、たまたま近所だったから通った、という人もいますが(特に幼稚園・保育園の場合)、
遠くから通う人や、その学校・園のために引っ越して来る人の方が多いようです。
いわば、「地域コミュニティ」ではなく「テーマコミュニティ」がつくられているといえます。

しかし、私が10年以上前から色々な学校・園を研究してきて気づいたのは、
「地域との関係」が良好になればなるほど、運営は安定していくということです。

教育内容に特徴のある学校・園は、地域にとって「余所者」とか「あそこ何やってるんだろう」とか
場合によっては「変わった人たち」とか思われてしまうことがあります。
その背景として、日本の小学校の、実に99%が公立学校ということがあります。
公立でも有名私立でもない学校にわざわざ通うのは、多くの人にとって不思議なことなのです。
(ちなみに幼稚園は約60%が私立ですし、義務教育ではないので、比較的寛容に見られている気がします)

ですので、特に設立から間もないうちは、地域との関係が薄かったり、
トラブルが起こったりするのは、ある程度仕方のないことです。
しかしやはり、地域との関係性が良いほうが、通う親や子どもにとっても居心地のよいものです。
そのため、私の取材してきたどの学校や園でも、地域と関係を築く様々な取り組みをされています。
・地域の人も参加しやすいオープンなイベントを行う(夏祭り、バザーなど)
・地域のイベントに参加する
・地域研究を授業に取り入れる
・地域の人に先生になってもらう(農業、外国語、音楽など)
また、子どもたちが近所の人に会ったときちゃんと挨拶をするとか、外でうるさくしないとか、
学校・園の周辺も含めて掃除やゴミ拾いをするといった小さなことも、非常に大切です。

学校・園を選ぶときに、そこが地域とどんな風に関わっているのか、
地域の人にとってどんな風に思われているのかも、少し気にしてみるとよいと思います。
また、地域との関係づくりの深さは、年月に比例します。
もし設立して年月が浅めのところであれば、ぜひ、関係づくりのための取り組みを提案されるとよいと思います。
地域との関係づくりが、学校・園の持続的な発展の鍵を握っていると言ってもよいと思います。

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征矢 里沙

征矢 里沙

1983年、愛知県生まれ。高校2年生のとき、恩師との出会いがきっかけで、「日本の教育を変えたい」という志を抱く。慶應義塾大学総合政策学部に入学し、シュタイナー・サドベリー等のオルタナティブ教育を研究。2006年に大学卒業後、株式会社リクルートに就職。2012年、会社を卒業して「NPO法人いきはぐ」を起業、代表を務める。2013年5月に出産、1児の母。