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征矢里沙です。
短期連載(予定)で、「無認可の学校への公的な支援の動き」について取り上げています。

前回は、文部科学省主催の「全国フリースクール等フォーラム」の参加レポートをお送りしました。
前回のコラム⇒http://ikihug.com/blog/?p=2785
なお、このフォーラムの様子が、1月6日にYouTube文部科学省チャンネルにアップされていました。
プログラムごとに分けてあるので、ご興味のある部分だけでもぜひご覧になってみて下さい。
⇒ http://goo.gl/kvTifC

さて今回からは、無認可の学校への公的な支援に対する、
“民間側”の動きを整理していってみたいと思います。

無認可の学校には、
「不登校」になった子ども向けの“フリースクール”と、
もともとそこの教育を受けたい子ども向けの“オルタナティブスクール”が
あるというお話をしました。
(※注意:上記の用語にはまだ決まった定義がなく、色々な使われ方をしています)

フリースクールには、「NPO法人全国フリースクールネットワーク(以下フリスクネット)」
という連盟的な団体があり、10年以上に渡って、不登校の子どものために活発な政策提言活動を行ってきました。
オルタナティブスクールの方は、ゆるやかなネットワーク団体「多様な教育を推進するためのネットワーク」や、
シュタイナー教育やデモクラティック(サドベリー)スクールなどの、各教育ごとのネットワークがありました。

そして2009年頃から、フリスクネットの内側で、
「こんな法律を作って欲しい」という具体的な法案を作成しようという
「新法研究会」が立ち上がりました。
これは、不登校か否かというよりも、既存の教育法ではカバーできていない、
色々な子どもたちの教育ニーズに応えられる法案を作ろうという動きでした。
これにオルタナティブスクール側の人々も賛同し、研究会に参加するようになっていきました。

当初は、賛同してくれる国会議員を通して議員立法を目指そうという目論見でしたが、
2011年の3.11により、国会が「それどころではない」という雰囲気になってしまいました。

しかし、この期間を無駄にせず、法案をよりブラッシュアップしていこうという意志のもと、
2012年7月、フリスクネットの外側に「(仮称)オルタナティブ教育法」を実現する会」が発足しました。
これは、「多様な教育(子どもの学び・育ち)のあり方を推し進める」という目的を改めて掲げ、
フリースクール側とオルタナティブスクール側の人々が正式に合流した団体です。

その後、研究・検討を重ねて「」骨子案を打ち出し、
会の名称を「多様な学び保障法を実現する会」と改めて、現在に至ります。
⇒ http://aejapan.org/wp/

実は、フリースクールとオルタナティブスクールの関係者が、
政治的な明確な目的をもって共に動くというのは、これが日本の歴史上初めてなのです。
「1.いきはぐからのお知らせ」でお伝えしている「第2回オルタナティブな学び実践交流研究集会 in 関西」は、
この「多様な学び保障法を実現する会」が発端となっています。
フリースクール・オルタナティブスクールの枠にこだわらず、
お互いの理解・交流を深めようという、そして一緒に情報発信していこう、という新しい動きなのです。
様々な立場や考え方の違いがあるにも関わらず、だからこそ、とても意義のあることだと感じています。

ただ、この民間の動きは、「全国フリースクール等フォーラム」に始まる政府の動きとは、直接関係していないのです。
民間で地道に内部固めをしていたら、急に文科省(自民党?)が大きく動いてきた、という感覚です。

今後、政府の動きに対して、「多様な学び保障法を実現する会」をはじめとする民間側が
どう関わっていけるか、どんな役割を担えるかが、模索されていくでしょう。

なおいきはぐとしては、こうした政治的な動きには直接は関わりませんが、常に状況をウォッチして、
必要とする方に情報をお届けしていきたいと思います!

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征矢 里沙

征矢 里沙

1983年、愛知県生まれ。高校2年生のとき、恩師との出会いがきっかけで、「日本の教育を変えたい」という志を抱く。慶應義塾大学総合政策学部に入学し、シュタイナー・サドベリー等のオルタナティブ教育を研究。2006年に大学卒業後、株式会社リクルートに就職。2012年、会社を卒業して「NPO法人いきはぐ」を起業、代表を務める。2013年5月に出産、1児の母。