2015年6月16日、
「多様な教育機会確保法(仮称)制定を目指すフリースクール等院内集会」が開かれます。
この展開の背景を少し解説したいと思います。

国会議事堂

以前もこのコラムで書いた通り、現在、
多様な学びに対する公的な保障、
つまり、いきはぐで掲載している無認可のオルタナティブスクールも
公的に認め、支援するための制度を実現しようとする動きがあります。

以前のコラムでは「政府側の動き」(http://ikihug.com/blog/?p=2785)と、
「民間側の動き」(http://ikihug.com/blog/?p=2934)が
それぞれあることをお伝えしました。
当時、前者は文科省の動きであり、
後者はフリースクール等とオルタナティブスクールの関係者が
共につくった民間団体、「多様な学び保障法を実現する会(以下実現する会)」の動きでした。

では、今回の 「多様な教育機会確保法(仮称)」とは?
これを作ろうとしているのは、上記の文科省とも民間団体とも別の、
超党派フリースクール等議員連盟と、夜間中学等義務教育拡充議員連盟です。
超党派フリースクール等議員連盟は、もともとフリースクール全国ネットワークと関係が深く、
実現する会でも、最終的にはこの議員連盟を通して議員立法を目指す計画でした。

一方、夜間中学等義務教育拡充議員連盟は、
「夜間中学校」に関する制度の整備を目指す議員連盟です。
夜間中学校とは、何らかの理由で、義務教育を未修了のまま義務教育年齢を超えた人が通える場です。
不登校や外国籍の若者、あるいは教育を受け直したい50代~80代の人も通っています。
フリースクールと似て、こちらも民間で自主的に運営されているのが実態です。
そこで、「多様な教育機会」というくくりで、合わせて法案を検討しよう
ということで、二つの議員連盟が連携することになったようです。

この議員連盟連盟(?)が作ろうとしている「多様な教育機会確保法(仮称)」と、
実現する会が作ろうとしていた「多様な学び保障法」は
各論の部分ではズレもありますが、総論での目的や大筋は共通しています。
そこで、実現する会では、この「多様な教育機会確保法(仮称)」を
基本的には支持しつつ、意見を出して調整を図っていくという動き方になっています。
そのひとつの場が、お知らせした院内集会です。

ちなみにこの動きと文科省の動きは、また別ではありますが、
法案のことは、文部大臣も後押ししています。

オルタナティブスクールも、フリースクールも、夜間中学校も、
共通してぶつかっている壁は、
【現在、教育に対する国の保障は、6歳から15歳までの間に、
公立学校または(厳しい認可基準を満たした)私立学校に通う者にしか行われていない】
ということです。
今回の法案は、これをどういう基準で、どんな範囲まで、どのような形で広げるかという、
「従来の義務教育の壁を越える」という、とても大きな作業になるのです。

しかし、総論で一致していても、各論でつめていくのはとても大変な作業です。
どうしても法案からこぼれてしまう人々が出てくることも予想されます。
かといって、全員の意見に配慮しただけの法案になっても、
全員に使いづらいものになる危険性があることは言うまでもありません。
まさに、民主主義のあり方が問われるところです。

自分たちの立場や都合だけに固執せず、「日本の義務教育のあり方」という
全体的な視点からも共に考え、よいものを作り上げていけたらと思っています。

ではでは♪

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征矢 里沙

征矢 里沙

1983年、愛知県生まれ。高校2年生のとき、恩師との出会いがきっかけで、「日本の教育を変えたい」という志を抱く。慶應義塾大学総合政策学部に入学し、シュタイナー・サドベリー等のオルタナティブ教育を研究。2006年に大学卒業後、株式会社リクルートに就職。2012年、会社を卒業して「NPO法人いきはぐ」を起業、代表を務める。2013年5月に出産、1児の母。