◆母親であることを学ぶ ―ニキーチン夫人の母親日記
著/レーナ・アレクセエヴナ・ニキーチナ

前回で紹介した本の著書であるニキーチン夫妻の、
母親であるレーナさんの話をメインにした本です。
(前々回紹介の本:http://ikihug.com/blog/?p=3014)
始終、レーナさんの優しい語り口調で書かれていて、とても読みやすい本です。

日本では、ニキーチンは「能力開発・鍛錬」というイメージがあると感じますが、
これを読むと、父親であるボリスさんは、能力開発や鍛錬に熱心で、
数字やデータを重視する役回りだった対し、
母親であるレーナさんは、音楽や芸術を愛し、
子どもの観察や感覚を大事にしていることがよく分かります。
その夫婦のバランスが、ニキーチン夫妻の教育の本質であることを感じました。

またこ、の本が面白いのは、タイトル通り、
レーナさんがつけていた「日記」の引用がたくさんあることです。
子育てを一段落した立場でありながら、当時の生き生きした日記があることで
いわば「都合の悪いこと」を忘れてしまわずに、、
このときこんなことに悩んでいたとか、これは今思えば失敗だった、未熟だったなどと
振り返り語りながら、だからこそ今思う大切なことを素直に語っています。
こんな素敵な教育をした方も、現場は手探りだったんだと、とても身近に感じられます。

また、さらに面白いのは、そうして育てられた七人の子どもたちが、
成人した後の生き方や、さらにその子どもたちが一同に介しての対談まで
収録されていることです。
これは訳者の方の働きかけによる独自のもので、
教育や子育ての「追跡調査」はなかなか難しいだけに、とても貴重なものだと思います。

……と、こんなに充実した本でありながら、おそらく今の日本では
あまり知られていないと思ったので、ご紹介しました。
アマゾンでは在庫僅少ですが、図書館などには探せばあると思います。
前々回と同じく、子育て中の方や、ホームスクーリングをしたい方などには、
ぜひおすすめしたい本です。