デモクラティック/サドベリースクールに関する、Matt Beaudreau氏によるTED動画をご紹介します。

全編英語なので、日本語訳の文章と、動画のキャプチャで内容をご紹介します。(動画のリンクは末尾に)

日本語訳は、征矢の知り合いで、高校で英語科の非常勤講師をやってらっしゃる

齊藤 惇さんがして下さいました! ありがとうございます♪

 

Matt Beaudreau氏: 米国ローズビルの Adventure Christian Schoolの副校長であり、

Center for Teacher Effectivenessの教師育成トレーナー。

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私には大変気に入っている言葉があります。

それは今日のイベントを表す言葉ですが、教育団体の中ではお目にかかれないものだからです。

その言葉は教育者が好きなものですが、急進的(radical)で、私たちをモヤモヤさせるものでもあります。

この「急進的」というのは、「伝統に対して挑戦的な」というくらいの意味です。

こうなると人はモヤモヤするものですが、ここではモヤモヤしてみましょう。

 

私たちはここに挙げた生徒の様子については知っていますね。生徒が列に並んでいる様子です。

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(生徒一人ひとりは)待ち受けるいろんな教育については何も知らず、何をし、何を学ぶか指示されるのを、また日常のほとんどのことを決めてもらうのを待っているのです。

 

こうした写真を知っているという人は多くないでしょう:Discovery Kids(注:アメリカの早期教育スクール http://www.discoverykidsexperience.com/home.html)で学ぶ子供達です。

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その日何をするか、どんなペースで進めるかを自分で導きだすのです。

 

こちらはどうでしょう。子供達が校則から予算、一人ひとりの大人が翌年勤めてよいか までをせっせと決めている様子です。

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みなさん、聞き間違えではありませんよ。

伝統的な教育をやってきた私たちが非常にモヤモヤするというのは、大人と子供があらゆる点で対等になっているこういった学校のことなのですが、結論から言いますとこういった学校についてわかったことなのです。

 

私がこの分野で「モヤモヤしないといけない」と決心したきっかけは、ジョンという少年でした。

彼は私の学校の5年生で、いつも笑顔でみんなに好かれるような子でした。勉強でずば抜けた子ではなかったのですが。

彼は私と他の管理職に会う約束をしてきました。オフィスまでやってきた彼は、周到に準備された事業企画のプレゼンをやってのけたのです。

彼は企画の内容に関連して、めくり付きの資料や自作の図まで用意して、今の学校の一部を小さなディズニーランドみたいにしようと提案してきたのです。

そしてどうやってそれを実現するかという企画の全貌や、どうしてそれを真剣に考えないといけないのかを示してきたものですから、彼は間違いなく天才だという他ありません。

彼がもうこの企画を実行するばかりとなった時には、私の側にしたいことはもう何もありませんでした。

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このプレゼンで、この小さな子供がこんなにも成熟して、能力もあって、自信も持っているのはお分かりでしょう。

このプレゼンは、彼の友人ができたであろうすべてのことをはるかに凌駕しています。

彼は特有の天賦の才能に包まれていたのですが、私はずっと子供に関わる仕事をしてきて、やっとそのことがわかり始めたのです。

天賦の才能とは私たち一人ひとりの中にあるのです。DNAとよく似て、私たちみんなが持っています。

彼の才能は対人能力だったわけですが、そこでまた新たなことに気付かされます。

私たちが学校では何もしてこなかったということです。

天賦の才能は教わってはいないのです。画一化されたテストや何時間の宿題で身につくものではありません。

ですから非常に現実的な意味で、およそジョンは学校で落第になってきたのです。

私は彼にそうなってほしくなかったし、学校のどの子にも、自分の娘にもそうなってほしくないのです。

 

そこで私はオルタナティブスクールを調べて、モヤモヤする質問をしてみることにしました。

「物事をするのにもっとよい方法はありますか?」と。

わかったことは、私のプロとしての、教育者としての信念を心から揺るがすものでした。

こうした急進的なやり方で生徒と共同しているオルタナティブスクールは、いくつもの点において伝統的な公立学校の真逆だったのです。

名前は「デモクラティック(スクール)」「フリー(スクール)」「アジャイルラーニングセンター」「アクティングアカデミー」「サドベリースクール」、またその他のものもあります。

しかしこうした学校は、子ども一人一人の特有の天賦の才能を信じることで、学校のあり方を効果的に変えているのです。

 

デモクラティックスクールやフリースクールを見てみます。

6歳なら他の6歳の子と同じで1年生に入りなさいという、同じ年齢の人とだけ一緒に分けられるようなあり方を、こうした学校は否定しています。

違う年齢の人と混ざって集まるのが現実の生活というものです。

アジャイルラーニングセンターやアクティングアカデミーでは、画一化することだけに特化したようなあり方は否定されています。

そうした学校は、人と学習を画一化することなんて無駄だと気付いているのです。

 

画一化について少し考えてみましょう。

画一化はなぜ高校までで終わるのでしょうか?

年齢に対する標準的知識レベルを測るテストが、なぜ大人にはないのでしょうか?

もっとも急進的と言ってよいサドベリーでは、あらかじめ決められた知識を受け取るという流れ工程で進むシステムにあえて疑問を投げかけます。

(知識を得るというのであれば)もうグーグルで調べればいいのです。

それをベルトコンベヤーから落ちる(=学校を出る)までやるわけです。

卒業証書には認定がつくわけですが、それはテストを受ける以外に大して技能を認定してはいないのです。

 

また子供には(何かを習得する時期について)多少の自由もあるのですが、これが皆さんにとって本当に対処に困るところなのです。

こういった学校(オルタナティブスクール)の言うような「すべての子どもには天賦の才能があって、我々は彼らと協力していくのがよいのだ」という急進的な考えは、子どもたちが率先してやっていくと信頼して、その進み具合に沿って彼らは学んでいくということになります。

ということは幼稚園よりも後の段階で読めるようになってもそれでいいということになります。

1歳をゆうに過ぎて歩けるようになる子もいますし、この観点では読む力もまったく同じということです。

アインシュタインも3年生まではほとんど読むことができなかったのですが、最終的に非常に賢くなりましたね。

我々は子供たちを学年の時間枠にはめることにとらわれています。そのことは実は、(子供が自然に発達していく)時間枠に反しています。

それこそがこうした学校(オルタナティブスクール)との違いです。

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マサチューセッツのサドベリーバレーでは、生活のなかの何ものにもとらわれない経験から学ぶより他にないのです。

コミュニティの大人たちは、(子供たちが)やっていることをやめたり、やる気を無くすことなく資源やロールモデルを与えていくのです。

当然教室もなければ学年も成績も宿題もありませんし、校則もなしです。

学校は全体としてコミュニティがデザインし、運営するのですが、まとめ役などいらないという人はいません。

デモクラティックスクールでの急進的な共同は、5歳児から18歳、スタッフにまで至る真の民主主義なのです。

毎週の学校ミーティングではすべての子供がすべての大人と同じく一票の権利を持って、スタッフの雇用や予算、ルールを完全に話し合いで決めようというのです。

自分の今後の行く末について文書を書くのも子供たちです。

 

こうした学校を出た子供たちは素晴らしいものです。

人生のすべてを受け入れられる自信、気持ちの面で早く回復する自信があります。

彼ら自身幸せであって、他の人の幸せも気にかけます。

急速に変化していく世界にも対応できます。

なぜなら、コミュニティの街による学校は私たちが採る他のどんなモデルよりも有機的で、本物に近く、変わる力があるからです。

 

ではこうした変革はどうしていままでなかったのでしょうか?

理由の一つは恐れです。

多数派に逆らうのを人は怖がるものです。多数派が明らかに間違っていたとしても。

また別の理由としては、誰もが今のままがよくて「もっといいものはないか」と問い返さないことです。

ハリエット・タブマンの「何人もの奴隷を解放したけれど、私はもう1000人は救えたでしょう。自分は奴隷だとその1000人が気付いてさえいれば。」という言葉が思い出されますね。

 

管理職の方、皆さんの伝統的な学校現場は「標準」に合わせたものですか?

先生方には、知識を伝達するのでなく学びを助ける人として生徒に寄り添って学ぶように奨励してください。

民主主義的な過程を取り入れてください。

子供たちと一緒になって、子供たちが実は気にしている問題を解決してください。

皆さんは社会から経済までの範囲の両端のことに取り組んできました。

気になる問題はどこの子供にもあるものです。私たちの解決法を必要としているのです。

伝統的な学校の先生はずっと能力を引き出し、褒めるようにすることです。

1歳の子供一人にも天賦の才能はあるのです。

通常学校で習うような力とは違うようなものでその才能は発揮されるかもしれません。

 

学齢期の子を持つ親御さん、他の選択肢を考えてみてください。

正しい道なのであれば、行ったことの少ない道であっても進ませるのを恐れないでください。

必ずしもスタンフォードなりMITなりアイビーリーグの大学に行くとも限りませんが、行くかもしれません。

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みなさん、教育改革がアメリカで起きるとすれば、その改革はこういった学校が始め、進めていくのだということを考えに入れておいてください。

そういった学校を設立するには開かれた人が必要です。

通ってもらう好奇心旺盛な子供が必要です。

そして天賦の才能を助長して引き出そうとするような、大衆に開かれた教育者と、広く活発に広めていくシステムが改革を進めていくでしょう。

それが私たちみんなを「モヤモヤ」する気にさせるのです。

 

(以上)

 

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