黒板

「学校をつくる」というテーマで連載をしています。
(前回のコラム⇒http://ikihug.com/blog/?p=3112)

学校作りは「桶作り」に似ています。その「桶の板」とは、
●教育理念
●教育方法
●財政
●土地・校舎
●スタッフ
●子どもたち
●保護者との関係
です。

前回は、「教育理念」について書きました。
今回は、「教育方法」について考えてみたいと思います。

前回、「教育理念」を考える上で大切なのは「共感性」であり、
「分かりやすさ」であり、何ならTシャツやHPのトップに一行で書けるくらい
端的な表現にすることが大切だ、と書きました。

「教育方法」においては、その反対に、
「具体性」がとても大切になります。

どういう校種が適切か?(小学校のみ、小中一貫、小中高一貫など)
に始まり、
どんなカリキュラム・メソッドを中心とするか?(●●教育、独自の教育など)、
どんなクラス構成にするか?(学年別、複数学年合同、全学年縦割りなど)
1クラスの人数は? 教科書や教材はどんなものにするか?
評価方法、評価基準は? 卒業の方法は?
……などなど、一つ一つが、具体的で現実的、
かつ教育理念に基づいて筋の通ったものである必要があります。

また、毎日起こる個別具体的な出来事に対して、
どう対応していくか?ということも問われます。

以前取材した学校の代表の方が、こうおっしゃっていたのが印象に残っています。
「学校作りには『各論』が大切。
子どもの意思を大切に、とか、総論では誰だって賛成する。
でも、(保護者にとって)実際に自分の子どもを通わせるとなると、
1つ1つのことをどうやっていくのか、そして、それが何故どうしてなのかを、
かなりのコミュニケーションを取って理解しあうことが重要になる」

例えば、
挨拶の大切さをどう伝えるか? 性教育をどうするか?
ゲームを持ち込もうとする子どもにどう対応するか?
……ということを、1つ1つ考えていかなくてはいけません。
これら全てを、学校設立前に計画する必要はないかもしれませんが、
いずれはこうした諸問題に向かい合う覚悟を持っておいた方がいいと思います。

前回、きのくに子どもの村学園という学校は、
「まずは子どもをしあわせにしよう。すべてはそのあとに続く。」
という教育理念です、という話をしました。
もしかしたら、「確かに分かりやすいけど、けっこう抽象的だな」と思われた方もいるかもしれません。
でも、同学園では、その理念の実現方法として、
基本方針の三原則、時間割、プロジェクトの内容、
その他細かい様々なことがしっかりと考えられ共有されています。

また、こちらの学園長さんにインタビューしたとき、
創立から20年以上経った今でも、日々起こる細かな具体的なことに関して、
教員の対応に違和感があったら、その都度伝えているという話をお聞きしました。
例えば、学校の屋外行事で降水確率50%だったときどうするかとか、本当に細かいことなのですが、
「そういう1つ1つのことが、学校の理念を本当に実現し続ける、ということに関係してくる」
というようなことをおっしゃっていて、とても感銘を受けました。

こうした具体的な「具体的な教育方法」があって、
初めて、「分かりやすい教育理念」が生きてくるのだと思います。
ではでは。

※いきはぐでは、上記テーマで講演・勉強会・個別相談などを受け付けています。
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征矢 里沙

征矢 里沙

1983年、愛知県生まれ。高校2年生のとき、恩師との出会いがきっかけで、「日本の教育を変えたい」という志を抱く。慶應義塾大学総合政策学部に入学し、シュタイナー・サドベリー等のオルタナティブ教育を研究。2006年に大学卒業後、株式会社リクルートに就職。2012年、会社を卒業して「NPO法人いきはぐ」を起業、代表を務める。2013年5月に出産、1児の母。